(社シス、現社)の◯×
先ずは(社シス)の◯×の一回目です。
《社会理論と社会システム》
①回目
裁判員制度は、近代の自律的法としての普遍性を高めることを目的としている。
○ ×
限界集落とは、週末や祭礼の際に家族や親族が集まってくる都市近郊の地域のことをいう。
「囚人のジレンマ」とは、他の成員の満足度を引き下げない限り、ある個人の満足度を引き上げることができない状況を指す。
2012年(平成24年)以降の日本の労働市場では、同一労働同一賃金の原則が適用されている。
価値合理的行為とは、過去の経験に基づき諸個人の内に身についた知覚・思考・実践行動を生み出す性向を意味する。
ライフサイクルとは、世代間の形態転換を指す。
「平成27年版高齢社会白書」(内閣府)によると、「とても幸せ」と回答した一人暮らしの高齢者の比率は、男女で差がない。
役割葛藤とは、子どもが、ままごとのような「ごっこ」遊びで親の役割などをまねることを通して自己を形成し、社会の一員となっていく過程を示す概念である。
「平成28年国民生活基礎調査」(厚生労働省)における65歳以上の者のいる世帯の世帯構造のうち、「単独世帯」「夫婦のみの世帯」「親と未婚の子のみの世帯」のなかで、最も多いのは「夫婦のみの世帯」である。
タウンゼント(Townsend,P.)は、物理的生存に最低限必要な生活費との比較で相対的貧困を定義した。
【正解 (1回目)】
裁判員制度は、近代の自律的法としての普遍性を高めることを目的としている。
×
裁判員制度は、近代の自律的法としての普遍性を高めることを目的とするのではなく、応答的法として法と社会が密接にかかわることを目的としている。
限界集落とは、週末や祭礼の際に家族や親族が集まってくる都市近郊の地域のことをいう。
×
限界集落とは、過疎化による人口減少の結果、65歳以上の高齢者が過半数を占め、もはや集落を維持していくことが囲難な状態にある地域のことをいうのであり、「週末や祭礼の際に家族や親族が集まってくる都市近郊の地域」のことを指すのではない。
「囚人のジレンマ」とは、他の成員の満足度を引き下げない限り、ある個人の満足度を引き上げることができない状況を指す。
×
相対的剥奪論に関する説明である。相対的剥奪(relative deprivation)の数理モデルでは、人びとが抱く剥奪度(満足度)を自分の待遇に対する期待水準と実際の待遇による達成水準の格差で決定する。この剥奪度は、所属集団の剥奪率(不満に感じている人びとの割合)の増大によって不満感が共有されることで、相対的に度合いが低下(満足度が向上)する場合がある。
2012年(平成24年)以降の日本の労働市場では、同一労働同一賃金の原則が適用されている。
×
同一労働同一賃金の原則が適用されているとはいえない。厚生労働省が「同一労働同一賃金ガイドライン案」を発表しているが、現時点で「適用されている」とはいえない。
価値合理的行為とは、過去の経験に基づき諸個人の内に身についた知覚・思考・実践行動を生み出す性向を意味する。
×
価値合理的行為は「ある行動の独自の絶対的価値そのものへの、結果を度外視した、意識的な信仰による行為」のことであり、設問にある「過去の経験に基づき諸個人の内に身についた知覚・思考・実践行動を生み出す性向」は、ウェーバー(Weber,M.)の「伝統的行為」の概念を発展させたブルデュー(Bourdieu,P.)のハビトウス論に基づく記述である。
ライフサイクルとは、世代間の形態転換を指す。
×
ライフサイクルは、世代間の形態転換ではなく、人間の一生にみられる規則的な推移が世代ごとに繰り返されること、言い換えれば、世代間に共通する形態を指す概念である。
「平成27年版高齢社会白書」(内閣府)によると、「とても幸せ」と回答した一人暮らしの高齢者の比率は、男女で差がない。
×
「とても幸せ」と回答した一人暮らしの高齢者の比率は、女性18.0%、男性8.4%となり、男女で2倍以上の差がある。
役割葛藤とは、子どもが、ままごとのような「ごっこ」遊びで親の役割などをまねることを通して自己を形成し、社会の一員となっていく過程を示す概念である。
×
役割葛藤(role conftict)は、個人が担う役割集合(role set)、つまり人が複数の役割を担って生活している状態で発生する葛藤状況を説明する概念である。本人が新たな役割を得たり、担う役割が変更されたりする場合、外部からの役割期待や役割の内容が役割集合内で矛盾・対立することがある。その際、本人が主体的にそれらの矛盾や対立を解消できない場合に生じる心的葛藤や心理的緊張状態のことである。
「平成28年国民生活基礎調査」(厚生労働省)における65歳以上の者のいる世帯の世帯構造のうち、「単独世帯」「夫婦のみの世帯」「親と未婚の子のみの世帯」のなかで、最も多いのは「夫婦のみの世帯」である。
◯
2016年(平成28年)6月2日現在における65歳以上の者のいる世帯のうち、「夫婦のみの世帯」は、752万6000世帯(31.1%)で最も多く、第1位を占めている。
タウンゼント(Townsend,P.)は、物理的生存に最低限必要な生活費との比較で相対的貧困を定義した。
×
タウンゼントは、高齢者の生活、貪困問題、社会的不平等に関する研究をイギリス国内で行い、相対的剥奪としての貧困という概念を提唱した。これに対し、相対的貧困は、OECD(経済協力開発機構)が定義する概念である。
【貧困と人物】
◉ブース
1886~1902年ロンドンでの3回の調査により、労働者の3割が貧困線(かろうじて人に頼らなくてよい程度の収入がある状態)以下であり、その原因は不規則・低賃金な雇用、疾病、多子にあるとした。
◉ラウントリー
1899年ヨーク市で貧困調査をし、栄養学の視点を取り入れ、絶対的貧困としての最低生活費を設定し、総収入が肉体的能率の保持に足りない第一次貧困の状態にある家庭が約10%、単なる肉体的能率を維持するに足る第二次貧困の状態にある家庭が約18%になることを明らかにした。
◉タウンゼント
生活資源と生活様式という基本的概念に基づき相対的剥奪(当たり前とされる生活から外れること)という概念を用いて相対的貧困について説明した。この視点から、貧困・低所得者の生活問題の多様性・広汎性・複合性を提示した。
イギリスでのエイベル-スミスとタウンゼント、アメリカでのハリントン、ガルブレイズの研究は「貧困の再発見」と呼ばれた。
◉リスター
車輪になぞらえて、経済的貧困と関係的・象徴的側面の関係を論じた。
貧困には、基本的な身体的ニーズを満たすのに十分な貨幣の欠如である絶対的貧困と、その所属する社会で慣習になっているか広く奨励または是認されている程度の生活をするために必要な資源を欠いている相対的貧困があるとした。
◉ルイス
貧困の文化。絶対的困窮に置かれた社会集団は貧しさを運命的に受け入れ、抜け出す努力を減じるよう考え行動する。
◉スピッカー
「貧困」の多様な意味を、「物質的状態」、「経済的境遇」、「社会的地位」の三つの群に整理した。
「貧困の家族的類似」という図式を用いた。「貧困の家族的類似」図とは、類似している貧困の概念を整理してまとめた図であり、貧困の多様な意味をこの3つの群に分け、その中心に「容認できない困難」(本人も社会も容認できない)をおいている。
◉ポーガム
社会的降格という概念を用いて現代社会における貧困の特徴を整理した。社会的降格は①脆弱になる、②依存する、③社会的な絆が断絶する、というプロセスとして起こりハンディキャップが蓄積していく、とした。
◉ピケティ
資産格差は貧困の世代間連鎖をもたらすと論じた。
ピケティは、世界中で所得と富の分配の不平等化が進んでおり、長期的には資本収益率が経済成長率を超える傾向があることを示した。これが資産格差の原因となり、貧困の世代間連鎖に関係するとして、政府による再分配政策の重要性を強調した。
5,10問目を間違えて、正答率は8/10でした。
次は現社の◯×です。
《現代社会と福祉》
①回目
ロールズ(Rawls,J.)の『正義論』の格差原理に関する主張によると、最も恵まれない人が有利となるような資源配分は、正義にかなう。
○ ×
軍事救護法(1917年(大正6年))では、その対象者に、戦死した軍人の内縁の妻は含まれなかった。
「社会保障制度改革国民会議報告書」(2013年(平成25年))における社会保障制度改革の一環として実施された消費税引き上げによって、子ども・子育て支援に対する将来の財源不足は解消された。
介護保険制度は、事業者との契約を通じた介護サービス利用を原則としていることから、市町村には指定サービス事業者を指定したり、その取消しを行ったりする権限はない。
社会福祉法人の公設民営の原則を徹底させることは、社会福祉事業法制定時における社会福祉法人創設の趣旨であった。
「社会保障制度改革国民会議報告書」(2013年(平成25年))における社会保障制度改革は、高齢者福祉制度に重点を置いている。
アクティベーションは、公的扶助の受給条件として就労や職業訓練などの活動を義務づける政策である。
生産や自治を目的にした地縁による相互扶助組織を「講」という。
ロールズ(Rawls,J.)は、正義に関連し、成員の快楽の総和を最大化する社会が、最も望ましいと論じた。
「社会保障制度改革国民会議報告書」は、給付の拡大を提案した。
【正解 (1回目)】
ロールズ(Rawls,J.)の『正義論』の格差原理に関する主張によると、最も恵まれない人が有利となるような資源配分は、正義にかなう。
○
格差原理とは、所与の制約条件下で、最も不遇な人々の期待を最大限に高めることを目的とする分配原理であり、最も恵まれない人が有利となるように資源を配分することは、正義にかなう。
軍事救護法(1917年(大正6年))では、その対象者に、戦死した軍人の内縁の妻は含まれなかった。
○
軍事救護法とは、傷病した現役の軍人とその家族、また戦死した下士兵の遺族に対し、生活に必要な限度の救護を与えることを目的とした救貧立法であり、内縁の妻は含まれなかった。
「社会保障制度改革国民会議報告書」(2013年(平成25年))における社会保障制度改革の一環として実施された消費税引き上げによって、子ども・子育て支援に対する将来の財源不足は解消された。
×
改革の一環として実施された消費税の引上げによる財源(0.7兆円)によっても、子ども・子育て支援に対する将来の財源不足(0.3兆円)が指摘されていた。また、2014年度(平成26年度)における税制改正で消費税10%への引上げが延期されたにもかかわらず、子ども・子育て支援の財源は減じられなかったが、将来の財源不足は依然、残されたままである。
介護保険制度は、事業者との契約を通じた介護サービス利用を原則としていることから、市町村には指定サービス事業者を指定したり、その取消しを行ったりする権限はない。
×
指定地域密着型サービス事業者・指定地域密着型介護予防サービス事業者・指定居宅介護支援事業者の指定に関しては、市町村長に指定及び取消しの権限がある。それ以外の、指定居宅サービス事業者・指定介護老人福祉施設等の指定等は、都道府県知事が権限を有している。
社会福祉法人の公設民営の原則を徹底させることは、社会福祉事業法制定時における社会福祉法人創設の趣旨であった。
×
1946年(昭和21年)のGHQの、社会事業に対する公的責任の明確化を図ることを目的とした民間社会事業への補助金支出の禁止措置により、民間の社会事業は財政困難となり、不祥事が起こるなどの事態に陥った。そこで、社会福祉事業法で定めた厳格な規定に適合した団体を社会福祉法人として国が認可し、事業実施主体として運用することにより、社会福祉事業の純粋性や公共性を維持しようとした。
「社会保障制度改革国民会議報告書」(2013年(平成25年))における社会保障制度改革は、高齢者福祉制度に重点を置いている。
×
社会保障4分野(少子化対策分野、医療分野、介護分野、年金分野)に関する改革であり、必ずしも高齢者福祉制度に重点を置いていない。
アクティベーションは、公的扶助の受給条件として就労や職業訓練などの活動を義務づける政策である。
×
アクティベーションとは、所得保障と雇用を連関させる考え方である。設問では、就労や職業訓練を義務づけるという記述になっているが、そこまでの強制的な義務を課していない。
生産や自治を目的にした地縁による相互扶助組織を「講」という。
×
生産や自治を目的にした地縁による相互扶助組織は「組」である。「組」と「講」は重複するところもあるが「組」は村落共同体において冠婚葬祭などの行事を行う組織をいう。
ロールズ(Rawls,J.)は、正義に関連し、成員の快楽の総和を最大化する社会が、最も望ましいと論じた。
×
成員の快楽の総和を最大化する社会が最も望ましいと論じているのは、ベンサム(Bentham,J.)や、ミル(Mill,J.)に代表される功利主義である。
「社会保障制度改革国民会議報告書」は、給付の拡大を提案した。
×
社会保障費が経済成長を上回って増大し、国民の負担増大が不可避となっている中、持続可能な社会保障を構築していくためには、徹底した給付の重点化・効率化が求められる、と提案している。
5,6,10問目を間違えて、正答率は7/10でした。